2019/2/8 17:44

2019年2月7日、日本学士院において、第15回(平成30年度)日本学術振興会賞並びに日本学士院学術奨励賞の授賞式が行われ、理研AIPセンター ヒューマンコンピュテーションチームの鹿島久嗣チームリーダー(京都大学大学院情報学研究科 教授)に、日本学術振興会賞が授与されました。理研AIPセンターからは、一昨年の杉山 将センター長に続いての受賞となります。

受賞理由
鹿島チームリーダーの受賞理由は「人工知能を支える多種多様なデータ解析のための機械学習法の開発」です。
ビッグデータから知識を獲得する機械学習は、世界中で熾烈な研究開発競争が繰り広げられている人工知能技術の中核です。世の中は多種多様なデータで溢れていますが、従来の機械学習技術のほとんどは定型データを想定したものでした。
鹿島チームリーダーは、ネットワーク構造をもつデータの構造を高精度で予測する手法や、ネットワーク構造をもつデータ処理の高速化手法を開発し、機械学習の適用範囲を大きく広げ、様々な応用に実際的に利用できるようにしました。
理論研究に留まらず、生物データ、購買情報の時系列データ、ドライバーの行動予測、特許文書のデータ、クラウドソーシングのデータなど、様々な分野・様々な種類の実世界データを対象とした解析を行い、課題解決に役立てる人工知能の最先端応用の実績でも高く評価されています。
鹿島チームリーダーは、人工知能技術の学術・産業の両面において大きく貢献しており、今後のさらなる発展が期待できるとして、日本学術振興会賞の受賞につながりました。

受賞コメント
賞の授与にあたり、鹿島チームリーダーは「多くの仲間たちと一緒に取り組んできた研究がこのような形で認められたことが嬉しいです。理研AIPセンターをはじめとして、これまで研究に打ち込める場を頂けたことに感謝するとともに、わが国の人工知能研究の益々の発展を目指して、これからも広い視野をもって研究に邁進していきたいです」と述べました。

日本学術振興会賞
日本学術振興会賞は、人文・社会科学及び自然科学の全分野における優れた研究業績をあげた若手研究者(45歳未満)を顕彰・支援し、日本の研究水準を世界トップレベルに発展させることを目的として2004年度に設立された賞です。今回は25名が選ばれました。

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