2022/2/7 15:34

理化学研究所革新知能統合研究センター目的指向基盤技術研究グループがん探索医療研究チームの町野英徳特別研究員、浜本隆二チームリーダー、小松正明副チームリーダー、浅田健研究員、国立がん研究センター研究所の金子修三ユニット長、同中央病院婦人腫瘍科の加藤友康科長、病理診断科の吉田裕医員、東京大学医学部附属病院の曾根献文講師、織田克利教授、大須賀穣教授らの国際共同研究グループ※は、医療ビッグデータとコンピュータ科学を活用し、卵巣がんの新しい治療標的として、「LKB1-MARK3経路[1]」を同定しました。本研究成果は、卵巣がんのうち最も死亡者数の多い「高異型度漿液性卵巣がん」の新しい治療法の開発につながると期待できます。

[1]LKB1-MARK3経路LKB1はセリンスレオニンキナーゼをコードするがん抑制遺伝子であり、生殖細胞変異した場合、消化管の過誤腫性ポリポーシスを発症するポイツ・ジェガース症候群を引き起こすほか、肺腺がんでは頻繁に体細胞変異が生じていることが知られている。MARK3は、LKB1によって直接的にリン酸化修飾を受けるセリンスレオニンキナーゼである。

※国際共同研究グループ

  • 理化学研究所革新知能統合研究センター
    目的指向基盤技術研究グループがん探索医療研究チーム
    特別研究員 町野英徳(まちのひでのり)
    (国立がん研究センター研究所医療AI研究開発分野外来研究員)
    チームリーダー 浜本隆二(はまもとりゅうじ)
    (国立がん研究センター研究所医療AI研究開発分野分野長)
    副チームリーダー 小松正明(こまつまさあき)
    研究員 浅田健(あさだけん)
  • 国立がん研究センター研究所医療AI研究開発分野
    ユニット長 金子修三(かねこしゅうぞう)
    テクニカルスタッフ 井川典子(いかわのりこ)
    研修生 生水貫人(しょうずかんと)
    研修生 同前愛(どうぜんあい)
    国立がん研究センター中央病院
    婦人腫瘍科科長 加藤友康(かとうともやす)
    病理診断科医員吉田裕(よしだひろし)
  • 東京大学大学院医学系研究科医学部/東京大学医学部附属病院
    生殖・発達・加齢医学専攻産婦人科学講座
    教授(研究当時) 藤井知行(ふじいともゆき)
    教授 大須賀穣(おおすがゆたか)
    講師 曾根献文(そねけんぶん)
    生体物理医学専攻医用生体工学講座
    教授 織田克利(おだかつとし)
  • 東京大学定量生命科学研究所大規模生命情報解析研究分野
    講師中戸隆一郎(なかとりゅういちろう)
  • 米国メモリアルスローンケタリングがんセンター
    Medical Oncologist ゴットフリード・フォン・クーデル(Gottfried von Keudell)
  • 米国国立がん研究所がん研究センター
    Physician-Scientist Early Investigator ヴァシリキ・サローラ(Vassiliki Saloura)

研究支援
本研究は、文部科学省「次世代人工知能技術等研究開発拠点形成事業費補助金」による支援を受けて行われました。

本研究は、科学雑誌『Communications Biology』オンライン版(1月11日付)に掲載されました。

詳細は、理化学研究所(広報室)のホームページをご覧ください。

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last updated on 2024/12/9 13:30研究室