2022/3/22 17:56

説明可能AIを用いた超音波画像診断支援
-胎児心臓超音波スクリーニングへの臨床応用に期待-

理化学研究所革新知能統合研究センター目的指向基盤技術研究グループがん探索医療研究チームの小松正明副チームリーダー、浜本隆二チームリーダー、理研AIP-富士通連携センターの酒井彬客員研究員、昭和大学医学部産婦人科学講座の松岡隆准教授、小松玲奈助教らの共同研究グループは、超音波検査に人工知能(AI)技術を適用する上で、AIの判定根拠を可視化して検査者の診断を支援する新技術を開発しました。

今回、共同研究グループは、深層学習(ディープラーニング)を用いた新しい説明可能な表現「グラフチャート図」を開発しました。この技術により、超音波検査において異常所見の有無を判定する際に、判定の根拠となる診断部位の検出結果を従来手法よりも明確に提示することが可能になりました。また、実際に検査者がグラフチャート図を参考にすることで、胎児心臓超音波スクリーニング精度が向上することを確認しました。

本研究成果は、胎児心臓超音波スクリーニングにおけるAIを活用した超音波画像診断支援技術の臨床応用に貢献すると期待できます。

グラフチャート図を用いた超音波画像診断支援

※共同研究グループ

  • 理化学研究所 革新知能統合研究センター
    目的指向基盤技術研究グループ がん探索医療研究チーム
    副チームリーダー 小松 正明(こまつ まさあき)
    チームリーダー 浜本 隆二(はまもと りゅうじ)
    (国立がん研究センター研究所 医療AI研究開発分野 分野長)
    客員研究員 金子 修三(かねこ しゅうぞう)
    (国立がん研究センター研究所 医療AI研究開発分野 ユニット長)
    研究員 浅田 健(あさだ けん)
    特別研究員 町野 英徳(まちの ひでのり)
  • 理研AIP-富士通連携センター
    客員研究員 酒井 彬(さかい あきら)
    (富士通株式会社 研究本部 人工知能研究所 研究員)
    客員研究員 安富 優(やすとみ すぐる)
    (富士通株式会社 研究本部 人工知能研究所 研究員)
  • 昭和大学 医学部 産婦人科学講座
    教授 関沢 明彦(せきざわ あきひこ)
    准教授 松岡 隆(まつおか りゅう)
    助教 小松 玲奈(こまつ れいな)
    講師 新垣 達也(あらかき たつや)

本研究は、文部科学省「次世代人工知能技術等研究開発拠点形成事業費補助金」による支援を受けて行われました。

本研究は、科学雑誌『Biomedicines』オンライン版(2月25日付)に掲載されました。

詳細は、理化学研究所(広報室)のホームページをご覧ください。

-2022年3月22日メディア掲載

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