2024/9/26 08:28
因果推論チームの奥野彰文客員研究員が第38回 日本統計学会小川研究奨励賞(一般社団法人日本統計学会)を受賞しました。
- 受賞論文の評価
奥野彰文氏はニューラルネットワークなど表現能力の高い予測モデルを用いた統計的推定手法の開発と理論研究に携わってきた。その応用として天文学など諸科学分野との共同研究にも積極的に取り組んでいる。特に論文[1]では特異モデルを評価できる既存の情報量規準WAIC(Watanabe, JMLR2010)がニューラルネッワークなどの過剰パラメータモデルにも適用可能かを検討し、その効率的な計算法を示している。論文[2]ではニューラルネットワークを用いた非比例順序回帰モデルが単調性を満たすためのドメイン制約表現能力のトレードオフを示し、実データでも柔軟で妥当な解釈結果が得られている。論文[3]では近年注目されているニューラル生成モデル等の評価を目標とし、可逆関数推定のミニマックスレートを理論的に導出している。これらの論文で提示された手法はいずれも実装が容易かつ効率的な計算が可能であり応用を見据えながら理論的な整合性も示されている点が高く評価できる。これら先駆的な成果は伝統的統計手法に新たな視点をもたらしており、日本統計学会小川研究奨励賞に相応しい。
詳細は日本統計学会のWebサイトをご覧ください。