2019/9/5 15:00

2019年9月5日
国立がん研究センター

概要
国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区)研究所 発がん・予防研究分野らの研究チームは、細胞の老化が発がんのリスク要因となるメカニズムの一部を解明することに成功しました。

がんの発生要因には、生活習慣によるもの(喫煙や飲酒、食物・栄養など)と、そうでないものが挙げられ、生活習慣によるものはこれを改善することでリスクを抑制することができます。一方、生活習慣によらないものは、リスク要因が明確ではなく、さらにがんを発生させる遺伝子の変異も無秩序に入るため、予防できないと考えられていました。

しかし、研究所 発がん・予防研究分野の研究チームは、多くの変異は無秩序に入るのではなく、細胞の老化によりDNA修復能が低下し、DNAの損傷が蓄積することで変異のリスクが上がり、がんを発生させることを見出しました。これまでの研究において、老化と発がんの関係を明確に示したものはなく、本研究によりその関係が明確になりました。
これにより、これまで予防することが出来ないと考えられていたがんについて、損傷したDNAの修復を促すなどの方法で予防できる可能性が示唆されました。

本研究は、研究所 発がん・予防研究分野 主任研究員 吉岡研一(責任著者)らの研究成果で、英国のオンライン科学雑誌「Nature communications」(9月2日付け:日本時間9月2日)に掲載されました。
本論文の共著者として、がん探索医療研究チームの浜本隆二チームリーダーが名を連ねています。

くわしくは、国立がん研究センターのウエブをご覧ください。

 

<プレスリリース>

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