2017/7/24 18:11

要旨

インセンティブサイエンスの算法セミナー:経済学の実証分析とゲームAIの接点

日時:2017年8月7日
* 講演1:14:15-15:45
* 講演2:16:00-17:30
場所:理化学研究所革新知能統合研究センター会議室5
主催:基盤研究(B)「ゲーム理論的資源配分メカニズムの定量的評価基盤の構築」(研究代表者:岩崎敦)
共催:理化学研究所 革新知能統合研究センター

本セミナーでは,経済学の実証分析に用いられるアルゴリズムと囲碁や将棋などの
ゲームAIに用いられるアルゴリズムの考え方を理解することを通して,
計算機科学と経済学の融合領域研究の方向性を探る.
具体的には,まず理化学研究所革新知能統合研究センター美添一樹氏に,
ゲームAIのアルゴリズム的側面を概説していただき,近年の成果および今後の
方向性をご講演いただきます.
続いて,イェール大学経済学部の伊神満氏に,動学的なゲーム理論モデルの
実証のためのアルゴリズムの概要と,将棋ソフト・ボナンザとの共通点を起点にした
議論を進めて頂く予定です.

講演1:美添一樹 (理研AIP) 14:15-15:45
タイトル:近年の二人ゲームAIの進歩について

概要
二人ゼロ和完全情報ゲームにおける近年の進歩の中でも重要と考えられる通称
Bonanza メソッド [保木2006] と Monte Carlo Tree Search [Coulom2006] に
ついて述べる。Bonanza メソッドは minimax 探索と機械学習の組合せであり、
将棋プログラムの棋力に大きな向上をもたらしたことで知られている。Monte
Carlo Tree Search (MCTS) はコンピュータ囲碁にブレイクスルーを起こし、
ゲーム分野にとどまらず様々な分野に応用されている。最近の AlphaGo の
成功は深層学習とMCTSによるものである。これらのアルゴリズムの概要を紹介し、
発展・応用の可能性を探る。

講演2:伊神満(Yale University) 16:00-17:30
タイトル:動学ゲームの実証分析~人工知能将棋を応用例として~

概要
動学的なゲーム理論モデルをどのように推計し実証分析に繋げるかについて、
Rust (1987)に連なる「直接法」、Hotz & Miller (1993)に連なる「間接法」
(二段階推定法)、およびそれらの発展版を紹介します。時間の都合から実証
例には深く踏み込めないものの、過去10年余りでプロレベルに達したチェス・
将棋などゲーム用人工知能との共通点も多いことから、将棋ソフト・ポナンザ
の前身たるボナンザのアルゴリズム開発を「動学ゲームの実証分析」の具体的
な応用例として考察し経済学研究に仕立てる目算を提示したいと思います。

詳細情報

日時 2017/08/07(月) 14:15 - 17:30
URL https://c5dc59ed978213830355fc8978.doorkeeper.jp/events/63303

場所

〒103-0027 東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング 15階(Google Maps)