2021/12/10 14:55

理研革新知能統合研究センター(AIP)遺伝統計学チームの田宮元チームリーダー(東北大学・東北メディカル・メガバンク機構教授)が参画する国際研究グループは、様々な⺠族集団にまたがるゲノムワイド関連研究メタ解析(メタGWAS)を実施し、その研究成果が国際科学誌Natureに掲載されました。

Global Lipids Genetics Consortium(GLGC)は、様々な民族集団で構成される201のコホート・バイオバンク(計165.5万人)のデータを対象に、脂質関連5項目のメタGWASを実施しました。
このメタGWASから得られた結果に基づいてポリジェニックリスクスコア※を算出し、そのスコアでLDLコレステロールの分布をどの程度説明できるかを評価したところ、各祖先グループごとに特定されたゲノム多型とその推定効果量よりも、集団全体のデータから特定されたゲノム多型とその効果量をもとに算出されたポリジェニックリスクスコアの方が、予測性能が高いことが示されました。
様々な民族集団データを解析対象に含めることで、より信頼度の高い原因多型の探索や疾患発症リスク予測が可能となり、さらには、医療アクセスに関する、民族集団間の不平等な状況を是正し、世界のすべての人々に医療面での恩恵をもたらすと考えられます。

論文タイトル:The power of genetic diversity in genome-wide association studies of lipids
掲載誌:Nature
掲載日:2021年12月9日

詳細は、東北メディカル・メガバンク機構のホームページをご覧ください。

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