2021/7/28 11:42
iPS細胞連携医学的リスク回避チーム (チームリーダー 上田 修功 ) サムネイル

説明

iPS細胞連携医学的リスク回避チーム (https://aip.riken.jp/labs/goalorient_tech/medical-risk-avoidance-based-on-ips-cells/) at RIKEN AIP
日本語での講演となります

Speaker 1: 上田 修功 ( 15 min)
Title: iPS細胞連携医療リスク回避チームの研究概要
Abstract: 当チームは、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)との連携により、iPS細胞とAI技術により、健康長寿社会の脅威である神経変性疾患の検知、診断、さらに、AI技術によるiPS細胞の品質管理についての研究を進めています。本講演では、チーム全体の研究目標、概要を紹介します。

Speaker 2: 瀧川 一学 ( 30 min)
Title: 分子のグラフ表現と機械学習の最近
Abstract: 生命科学・創薬から有機化学・量子化学まで、分子を機械学習で扱う上で、与えられたタスクを解くために必要十分な入力表現の設計は欠かせない問題です。単結合の回転や分子振動による立体配座の空間的自由度から量子的な電子状態までミクロな特性から、生物活性・毒性・薬物動態など多分子との相互作用に起因するマクロな高次特性まで多様な特徴が寄与し得ります。本講演では、分子のグラフ表現と、グラフ表現を直接入力にとる機械学習の最近とその面白さやチャレンジについて紹介します。

Speaker 3: 井上 治久 ( 30 min)
Title: Deep LearningとALS iPS細胞を用いた疾患予測テクノロジー ―人工知能のALS検知・診断への応用―
Abstract: Deep Learningを用いて、健康な人のiPS細胞から作製した運動ニューロンとALS患者さんから作製した運動ニューロンを高精度に見分ける人工知能モデルについて紹介します。Deep learningとALS iPS細胞を用いた疾患予測テクノロジーは、運動ニューロンの微かな変化を検知し、ALSの診断をサポートするとともに、将来的なALSの治療促進と克服につながる可能性が期待されます。

Speaker 4: 今村 恵子 ( 30 min)
Title: AI創薬の新たなアルゴリズムの開発とALS iPSパネルでの実装
Abstract: 化合物スクリーニングにおけるヒット化合物を予測する機械学習のアルゴリズムである熱拡散方程式(HDE)モデルを開発し、当該研究に応用しました。HDEモデルは、熱が拡散していく様子を計算式に表して化合物の有効性の高さをスコア化することでヒット化合物を予測する人工知能のひとつで、偏微分方程式論という数学解析からの知見に基づいています。一般公開されている化合物スクリーニングのデータを用いて、HDEが高い予測精度を示すことを明らかにしました。さらに、ALS患者さんから作製したiPS細胞を用いて運動神経の細胞死を抑制する化合物を探索するための5万個の化合物スクリーニングを実施し、その結果から、HDEモデルを用いて約200万個の化合物の有効性を予測しました。HDEで有効性が高いと予測抽出された化合物について30株のALS患者さんの iPS細胞から運動神経細胞を作製し、このALS iPSパネルを用いて効果を評価しました。結果として、多くのALS患者さんの細胞に強い効果を示す化合物の同定に成功しました。これらの化合物は、これまでに知られていなかった化合物の特徴や骨格(ケモタイプ)を有しており、ALSに対する全く新規の薬剤開発のシーズ(種)として、利用されることになりました。本研究で開発されたHDEモデルは、今後の人工知能を用いたAI創薬に貢献することが期待されます。 本講演ではこれらの成果についてご紹介します。

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